《目次》
ひかり電話とiPhoneの結びつき
その昔、固定電話の電話加入権ってありましたよね(今も一応ありますが・・・)
いわゆる固定電話は以前、電話加入権というものを結構な金額で購入して敷設してもらっていました。電話加入権は資産として大事に扱われていて、私も一人暮らしを始めるときなどは親戚の人に借りたりとか、そんなことをしていた記憶があります。
携帯電話を含む通話手段が多様化してきた現在において、この電話加入権というものの価値は暴落しているわけですが、そもそも、この制度というべきか、そういったものがこのご時勢に必要なのかどうかは甚だ疑問ではあります。
これまでに高いお金を支払ってその権利を購入した人を思えばNTTもいきなり無料とかにはできないのかとも思いますが、すでに以前より安く手に入れることもできる現状を考えると、その辺りはちゃんとしたほうがよいと思います。
ひかり電話サービスとホームゲートウェイ
常時接続のインターネット環境が家庭にも普及して、光(ファイバー)回線まで家庭に敷設できるようになってから、NTTは”ひかり電話”というサービスを提供するようになります。
大雑把に時代と電話回線網の推移を乱暴に説明しますと次のような感じになります。
とっても昔(全部アナログ回線) 【固定電話】-【NTT】-【NTT】<相手電話> ※基地局から家庭の壁までメタル回線で敷設 ちょっと昔(NTT局内だけデジタル回線) 【固定電話】-【NTT】=【NTT】<相手電話> ※基地内はデジタル回線、基地局から家庭の壁までメタル回線で敷設 ひかり電話(家庭の終端機器(HGW)までデジタル回線) 【固定電話】-【ホームゲートウェイ(HGW)】=【NTT】=【NTT】<相手電話> ※基地局から家庭まで光回線で敷設、HGWから固定電話まではメタル回線
ここで重要になってくるのは赤文字で記載されている【ホームゲートウェイ】というものになります。
一般的にフレッツ光などの契約をしますと、家庭まで光ファイバーケーブルが敷設されてきます。
特殊な環境じゃない限り、パソコンのネットワークケーブルはLANケーブルといったメタルの配線になりますし、NTTの基地局から来ている信号は直接パソコンと通信することができませんので、それを解決するために、光ファイバーの終端(はじっこ)はONU(Optical Network Unit)といわれる光回線終端装置に接続されます。
ONUは内部で信号変換を行い、パソコンや他の機器との信号変換と受け渡しをしてくれます。
ONU自体は付加機能としてルーター機能をもっていたり、無線LANを実現するためのWi-Fiの機能をもっていたり、アナログ電話機と接続せるための機能(ひかり電話機能)をもっていたりと、色々なものがありますが、”ひかり電話”サービスを契約すると原則NTTから貸し出されるONUはひかり電話対応のONUになり、さらにルーター機能などが付いているホームゲートウェイと言われる”ひかり電話ルーター”になることが多いです。
実際、私が使用している(貸し出されている)ものはRP-500MIという、ひかり電話、無線LANモジュール(オプション)、VPNルーターなどに対応したONUとなっています。

”一般的な固定電話”と”ひかり電話”の違い
例えば、家電量販店などで家庭で使用する電話機を買いに行きますと、ワイヤレス機能が付いた電話機や、レトロな雰囲気の電話機、FAX機能が付いている電話機などなど、これまた様々な機種が販売されています。
これら電話機だけをホームゲートウェイに接続するのであれば、ひかり電話は一般的な電話の契約と基本的に違いがありません。
これまで固定電話を利用していた状況で、光回線の契約をするのと同時に、ひかり電話のサービスに切り替えた場合でも、電話番号は同じ電話番号で移行(同番移行)できますし、使い勝手もプッシュ回線になることで便利になるケースも多いです。
ただ、”ひかり電話”を使うことで大きく異なるのは、先に説明したホームゲートウェイを介入させて音声通話の回線網を作ってるという点です。
おさらいしますが、ホームゲートウェイはNTTからの光回線の終端機器であると同時に、家庭内で接続される機器や回線の信号変換などを一手に引き受けて交通整理してくれます。
パソコンからの通信、電話からの音声通話(による通信)、そしてスマートフォンからの通信などなど
固定電話とiPhoneを結びつける
ひかり電話は一般的に固定電話と同じように使用することが多いため、家庭用の電話機のみと接続されて利用される場合が多数です。
一方、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンはモバイル通信を使ってデータ通信や音声通話ができる機器です。

実は、ホームゲートウェイは家庭内のプライベートLAN(ここ重要)に接続されたスマートフォンを内線電話として利用することを可能にしています。
文字ではわかりにくいので、設定画面を下に示します。

後述する方法でiPhoneがホームゲートウェイに接続されています。
この状態で、専用アプリを使用して通話するとiPhoneは”ひかり電話”の子機として機能します。あくまで固定電話の子機扱いですから通話料金も通常の固定電話と同等の料金で済み、非常に安価に通話することができますし、ちょっとしたメリットですが、家の電話機の子機を取りに行かなくてもiPhoneを子機代わりにして電話することも可能になります。
ここまでが”ひかり電話”とiPhoneを結びつけるざっくりとしたお話ですが、なるべく理解していただくために技術的な専門用語を可能な限り使わずに記事にしてみましたので、一般的な技術論と相違がある場合はご容赦ください。
次ページからはiPhoneの子機化と設定を解説します。