《目次》
どうもです!たばねた(@tabaneta_)です。いつも、たばねたブログをご覧頂きありがとうございます。今回の記事はこちらになります。
2004年、2005年 限定マグ クリスマスマグ(Christmas mug)
フィンランドの名窯であるARABIA(アラビア)とムーミンのマグカップのお話(関連記事)はこちらです。
今回は12月に相応しいアラビアムーミンのレアマグのひとつ、2004年,2005年に販売されていたクリスマスマグを取り上げてみたいと思います。
商品概要 【2004,2005 クリスマスマグ】
ムーミンマグの販売が始まってから限定マグとして2つ目のマグはこちらの2004,2005のクリスマスマグでした。
本物のサンタクロースが住むサンタクロース村があるフィンランド(ホントかな(笑))において、クリスマスはとても大切な日となっています。
フィンランドの人々にとってのクリスマスイブからクリスマス当日は家族と一緒に静かに過ごし、25~26日は親戚と集まったりするようです。
クリスマスイブ=大晦日、クリスマス=元旦
というイメージだと日本人の我々にとってはしっくりくるのかもしれません。
そんな記念すべき日をテーマに、2004年と2005年に限定マグとして販売されたクリスマスマグ。一目見ただけでそれとわかるデザインと、その希少性からコレクターからも人気があり、状態の良いものは年々入手が難しくなっています。
Source: ARABIA Official Site
引用元:アラビア公式
商品詳細
クリスマスマグのカップデザインには、物語の原画やトーベ・ヤンソンがキャンペーンでデザインしたイラストの数点が組み合わせて採用され、デザイナーのトーベ・スロッテの配置、配色、アレンジが巧みに施されています。
ツリーの反対側に描かれているイラストは「Visor från Mumindalen 」(1993)【直訳:ムーミン谷の曲】という歌の本の原画を用いています。トーベ―・スロッテは原画のムーミンパパの後ろに描かれているムーミンに、エプロンを付け足すことでムーミンママにリデザインしています。
カップ正面に描かれているのは2018年の冬限定マグ、ライトスノーフォール(Light snowfall)でも採用されていた”ムーミン谷の冬”の挿絵が配置されています。
クリスマスマグのデザインのメインになるクリスマスツリーについては、1971年のユニセフのカードの為にデザインされたものを配置しており、はがきのデザインの中に描かれているツリーを見上げる青い服の子供は、カップデザインではリトルミィに変更されています。
ここに配置されたリトルミィは、1981年にユニセフのピースハガキ「March of Peace:平和の行進」に描かれているものを参考に後ろ向きに書き直されていますが、描かれている子供のひとりをわざわざ別のイラストから選んでくるところにトーベ・スロッテのデザインへのこだわりを感じることができます。
沢山の題材から選択された原画や挿絵、それを緻密に配置、配色し手間を惜しまずリデザインされたこのマグカップをみれば、この品物に対するアラビアとデザイナーの情熱が見て取れるのではないでしょうか。
引用元:Moomin.com(公式)
実際のマグカップはこんな感じです。



写真では冬の青色は強くでていますが、実物はもう少し薄い色で、公式ページの写真(上の一番最初の写真)の色味がかなり近い感じです。

バックスタンプは旧のアラビアのロゴで、ARABIAの文字の上に煙突マーク(王冠じゃありません)。初期の限定マグということで、ナイトセーリング等のように特別なバックスタンプにはなっていません。

1981年のユニセフのポストカード「March of Peace:平和の行進」に何故、5か国語の”平和”が描かれているのか?
上記のとおり、このマグカップに描かれているクリスマスツリーを見上げている子供のひとり、リトルミィの着ている服は、1981年にムーミンの作者であるトーベ・ヤンソンがユニセフのポストカードの為にデザインした下のイラストを参考に書き直されています

このポストカードはユニセフのために描かれていること、題名が「March of Peace:平和の行進」であることから、トーベ・ヤンソンが平和活動のためのチャリティー用のデザインとして描いたもので、よく見ると、”平和”という日本語も描かれています。
”平和”の漢字の他に、Peace(英語)、Paix(フランス語)、PAZ(スペイン語)、MИP(ロシア語)の5か国語で平和の意味を持つ文字が描かれていますが、これには理由があるようです。
特に、フィンランド語の平和の意味の”rauha”の文字が無かったことについては、当時のフィンランドの新聞においてもトーベ・ヤンソン自身がそれに答える形で掲載されたようです。
主な理由としては、最終的にユニセフが選択した5か国語に絞られたという事らしいですが、詳しくはムーミンの公式HPであるMoomin.comにその関連記事(英語)がありますので、興味があれば読んでみてはいかがでしょうか。
Moomin.com【Why Tove Jansson chose these five languages to ‘March for Peace’ postcard?】
2004, 2005限定 クリスマス (Christmas mug)のレア度は?
2019年12月時点では
9点 / 10点中
です。
こちらのマグカップは2004年と2005年に発売された限定マグとなっています。
15年前の初期の頃の限定マグとなっていますので、程度の良いものは年々市場に出回らなくなっています。現時点のオークションなどでも、特にラベルが付いている未使用の品であれば30,000円~40,000円、それ以上の値が付いています。
400個限定のFazer、1,500個限定のdreaming(夢見るムーミン)が10点満点だとすると、こちらのマグはそれに次ぐレアマグだと考えます。
ムーミンマグのコレクターであれば是非手に入れておきたいマグカップです。
発売日、購入方法など
【発売日】 2014年,2005年
【価 格】 プレ値
【その他】2019年12月時点ではオークションサイト等での購入となります。
まとめ
今回は2004年、2005年に発売されたレアなマグカップ、クリスマスマグ(Christmas mug)をとりあげました。
ムーミンマグの限定ものといえばコレは外せないというぐらい可愛くインパクトのあるデザインであり、その希少性からコレクターの間では人気のムーミンマグとなっています。
一般的に、ムーミンマグは小説の挿絵から採用されることが多い中、こちらのマグカップは小説の挿絵だけではなく、ユニセフのはがきのイラストを用いるなど、カップデザインとして特別感を持たせているように感じます。
今となってはなかなか使えないマグカップとなっていますが、クリスマスの夜はこのマグカップを愛でながら過ごすのも素敵ですね。
参考書籍
”見えるものだけが、すべてじゃない。”「ムーミン谷の冬」もこちらにご紹介させて頂きますので、気になる方は手に取ってみてはいかがでしょうか。
◆各社で販売されている「ムーミン谷の冬」
◆1990年から販売された、ちょっと可愛くて、ちょっと奥深いムーミンマグの物語です。
◆フィンランドの名釜、ARABIA(アラビア)のステキな食器の写真と解説が掲載されています。