外出時にiPhoneを”ひかり電話”に接続して通話料を節約しよう

IT・IoT
この記事は”ひかり電話”の子機としてiPhoneを使用するものです。実現は条件付きになりますが、条件が整っていれば通話環境のひとつとして検討する価値はあると思います。

たばねた
関連記事では家庭内の無線LANで接続した状況でしかiPhoneを子機化することができなかったけど、それだとさほどメリットないって話でしたよね?

iPhoneを”ひかり電話”の子機にして便利に使ってみよう

2018.11.26

そうなんですよね。確かに、ひかり電話の通話料は携帯電話の通話料金に比べて単価も安いですし、魅力的ですが、家にいるときにわざわざiPhoneを”ひかり電話”の子機として使っても、電話機の子機を取りにいく、探しにいく手間が省けるぐらいで、あまりメリットは感じられません。

でも、もし、外出しているときでも、iPhoneのモバイル通信網を使って自宅の”ひかり電話”の子機化を実現できたら、それはひとつの安価な通話手段として有用なものになるかと思います。

そこでこの記事ではちょっとした裏技を使って、にいるときでも”ひかり電話”の子機を使ってる感覚で、iPhoneを使える設定を試みます

iPhoneで”ひかり電話”を使う条件

前述のとおり、iPhoneなどのスマートフォンを”ひかり電話”の子機として認識させるためにはWi-Fiで接続されたiPhoneなどが、同一セグメント内のローカルエリアネットワーク(ここでは家庭のプライベートネットワーク)に接続されている必要があります。

ただし、そうなると外出してる場合などは、家庭内の無線LANには接続できないので、当然のことながらiPhoneをひかり電話の子機としては使えません。

たばねた
じゃ、外出時にiPhoneを子機化することはできないの?

その疑問に答えるために、VPNという技術を使います。

ぶい・ぴー・えぬ(VPN)ってなに?

専門的な感じだと次のようになります。

Virtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク、VPN)は、インターネット(本来は公衆網である)に跨って、プライベートネットワークを拡張する技術、およびそのネットワークである。VPNによって、イントラネットなどのプライベートネットワークが、本来公的なネットワークであるインターネットに跨って、まるで各プライベートネットワーク間が専用線で接続されているかのような、機能的、セキュリティ的、管理上のポリシーの恩恵などが、管理者や利用者に対し実現される。仮想プライベートネットワーク、仮想専用線とも呼ばれる。VPNは2つの拠点間に、仮想的に「直接的な接続」を構築することで実現できる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この中で重要な部分は赤文字の部分となりますが、要するに

  1. 各プライベートネットワーク間(iPhoneと家庭内のネットワークが専用線で接続されているかのような
  2. 2つの拠点間(iPhoneとホームゲートウェイに、仮想的に「直接的な接続」を構築する

簡単な図で示すと次のような感じになります

VPNはトンネリングと暗号化によって実現します。

例えば、iPhoneは4G(LTE)の通信技術でモバイル通信をしてインターネットの世界に接続されます。

インターネット上は様々なパケットが飛び交っていますが、VPNではパケット内部を暗号化しつつ、独自のプロトコルでiPhoneからHGWに”仮想的に「直接的な接続」”を構築し、端末とHGW間が専用線で接続されているかのような仮想ネットワークの接続を確立させて通信環境を構築します。

外からは見えない、直接的な接続を構築するという点で、あたかも2つの拠点間(ここではiPhoneとHGW間)にトンネルをつなげているように見えることがトンネリングといわれる所以となりますが、結果的にVPNで接続された端末は接続先のプライベートネットワーク内部に入り込むことができるようになるわけです。

いざ!iPhoneとホームゲートウェイをVPNで接続しよう!

iPhoneとホームゲートウェイをVPN接続するための条件は下記のとおりです

ホームゲートウェイもしくは外部ネットワークから参照されるルーターにVPNサーバー機能がある

一般的に、VPNルータ機能をもつルーターで家庭のネットワークを構築している方は、私の記事を見なくてもサクサク作業を進められるかと思いますので、ここでは、ひかり電話を契約した際にレンタルされたホームゲートウェイにたまたま、VPNサーバー機能が付いていたことを想定します。

具体的には、私の使っているホームゲートウェイとiPhoneとの接続例を示していきます。

ホームゲートウェイ(PR-500MI)のVPN設定

メイン画面から[詳細設定]-[VPNサーバ設定]を開きます

画面にある[VPNサーバ機能]  の[VPNサーバ機能の起動]□有効にチェックを入れることで、VPNサーバー機能が起動します。

[利用する接続先]をメインセッションにして、[VPNアカウント機能]の任意のエントリ番号の[編集](※ここでは1番)をクリックしてください。

接続の際の認証のために[VPN接続設定]の[ユーザ名]と[パスワード]を設定します。
※ここでは[ユーザ名]tabaneta,パスワード[********」としています。

前の画面に戻って、[VPNサーバー機能]の[事前共通鍵]-[表示]をクリックしてみてください。

前述の説明において、VPNはトンネリングと暗号化の技術を使っていると記載していますが、暗号化するための鍵(パスワードみたいなもの)をここで確認することができます。

後ほど、iPhoneの設定でこちらの鍵を使いますので、メモするなり、確認できるようにしておきましょう。

次に、メインセッションのIPアドレスを確認します。

設定画面のメインメニューから[情報]-[現在の状態]を確認します。

表示されている情報の中に、図のような[メインセッション]という項目があります。

これはHGWのインターネット側(外部ネットワークから見えるアドレス)となります。

なお、一般的な光インターネットなどの契約においては、プロバイダとの契約内容によっては、WAN側のIPアドレス(つまり外部に接続するためのグローバルアドレス)は原則、動的アドレスになっています。

つまり、ホームゲートウェイを再起動したとき、その他、何かの原因によって、切断からの接続や認証が発生するたびに、プロバイダはこのアドレスを動的(使われていないものを)割り当てることになります。

こちらを固定する方法、または変動しても、ある方法を使って問題を解決する方法はいくつかありますが、実験的に以下の方法で外部からのVPN接続が確立できた際には、プロバイダの契約オプションとして”固定IPアドレス”を取得することは、問題解決として手っ取り早い方法かもしれないということを提案しておきます。

とりあえず、一旦、現時点でのメインセッションのグローバルIPアドレスを確認して、外部からの接続設定を進めていきましょう。

iPhoneのVPN設定をしよう

[設定]-[一般]-[VPN]-[VPN構成を追加]をタップして開きます。

図の赤字で示す項目について設定してください。

VPN構成の追加

タイプ : L2TP
説明 : 任意(ここではtabaneta VPN)
サーバ : HGWのメインセッションのIPアドレス
アカウント : HGWで設定したVPNアカウント
パスワード : HGWで設定したVPNパスワード
シークレット : HGWで表示される事前共通鍵  

上記の設定ができましたら、[設定]-[一般]-[VPN]のところに設定した構成が登録され、リスト左側にチェックが付いていることを確認し、[状況]のボタンをONことでVPNの接続がされます。

無事、接続が成功すると図、右上の部分に[VPN]の文字がでます。

 

VPN接続がうまくいかない場合

  • 家でテストする場合はWiFiで接続されている
    ※家庭内のプライベートネットワークからはWAN側のグローバルIPアドレスが見えません
  • シークレット(事前共通鍵)が間違えている(0《ゼロ》とO《オー》など)
  • アカウント、パスワードが間違えている

など考えられますので、もう一度確認してみてください。

VPN接続が確立されている状態で、SIPアカウントを開くと、4G(LTE)の通信をしているにも関わらず、[ダイヤルできます]と表記されます。

この状態で通話すると、家の”ひかり電話”からの通話になりますので、料金は”ひかり電話”の料金体系になりますし、相手方にも家の電話番号が通知されます。

さらにメリットとして、携帯電話では不可となっているフリーダイヤルなどへの通話も、この方法を用いれば利用することもできます。

なお、ここではiPhoneを用いてますが、基本的にAndoroidの端末でもVPN接続を確立し、通話のためのSIPアプリを用いることで同じように、外から”ひかり電話”を用いることができますので、やってみてください。

ちなみに、VPNの接続を保持したままであれば、いつでもSIPアプリを開いて発信できますし、着信も設定次第では可能ですが、同時に発生するモバイルデータ通信についてもVPN経由となりますので、速度やその他、VPNでは接続できないサービスがあるなど問題が生じる可能性があります。

そういうことを考慮して、私の場合は通話(発信)の際にのみ、都度VPN接続をしてこのサービスを利用していますが、ご自身の状況で判断して有用にお使いいただければと思います。

おわりに

iPhoneやスマートフォンを用いて、ひかり電話を外から利用する方法を示しましたが、いくつか問題点が残っていますので、記載しておきます。

  • 前述のとおりメインセッションのIPアドレス(つまりWAN側のグローバルアドレスが変動するため、HGW等を再起動した際には逐一、VPNのサーバアドレスを変更しなければならない。
    ◆解決策1◆
    ダイナミックDNSというサービスを使って変動したIPアドレスに対して、サーバー名を付与する方法があります。※私はこちらを使っています。
    ◆解決策2◆
    ご利用のプロバイダ契約のオプション等で、固定IPアドレスの契約をすることで、メインセッションのIPアドレスの変動を防ぐことができます。※お金はかかりますが、手っ取り早い解決方法です
  • 回線状況やSIPアプリの相性などで通話の音声が不明瞭になったり、不安定になる。
    ◆解決策◆
    これはもうiPhoneやAndroidのSIPアプリの問題ですので、色々と設定やアプリそのものを試すしかありません。私も有料のものも含めて3、4種類ほど試していますが、有料だから安定しているというわけでもなく、通話だけならAGEPhoneをもっぱら使っています。

以上、問題点はありますが、やはり固定電話(ひかり電話)の料金体系で通話ができる、携帯電話では受けつけてくれないフリーダイヤルに電話をかけられるというのは、非常に大きなメリットだと思います。

この記事をみて有益だと感じる方で、環境がある程度整っている方は頑張って設定してみてはいかがでしょうか

これらの問題点について、コメントなどで要望があれば記事にするかもしれませんが、現時点ではその提示のみとなります。

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